犬の尻尾の動き
当然ですが、犬は言葉をしゃべれません。ですから、犬のしぐさの中でも尻尾の動きは、犬の気持ちを知る大きなヒントになります。一般的に犬が尻尾を振るのは、犬がうれしい時、楽しいとき、あるいは機嫌がよい時であるといわれています。
確かに上記のような犬の心理状態でも尻尾を振るわけですが、そうでない場合もあるのです。まず、尻尾を振っていると一言でいっても、尻尾を立てて振っているのか、あるいは垂らして振っているのかという違いもあるのです。
尻尾を立てて人間が手を振るような感じで犬が尻尾を振っていれば、犬は楽しい気持ちでいます。同じ尻尾を立てて振っている場合でも、小さく速く振るっているのは犬が興奮している状態なんです。ですから、尻尾を振っていても怒って興奮している状態である場合もあるんです。でもまあ、楽しくて尻尾を振るのも一種の興奮状態であるともいえるわけですから、犬の表情など他の部分も観察しないと判断できません。
尻尾を垂らして振っている場合には、楽しい感情もありますが、その中に多少のビビリも含まれています。
犬は楽しい気持ちでいるのか、怒っているのかは尻尾の動きだけでなく、犬の表情を観察することで判断することができます。口元が緩み加減であれば、楽しい気分でいるとわかりますし、鼻小じわをよせたり歯を見せていたりしていれば怒っていると判断できます。さらに低い声でうなっていれば怒って興奮している状態であるのは決定的になります。
また、人間は降参した状態を尻尾を巻くと言い表しますが、おしりの方へ尻尾を丸めている場合、犬の気持ちは不安な状態や恐怖を感じている状態です。