人の口や手をなめる
人の口や手をなめてくれるといいましょうか、なめる犬がいます。口や手を犬がなめてくる理由は、犬の愛情表現であるといわれています。
犬の社会では子犬が母犬の口元をなめてエサをねだります。そうすると、母犬は食べ物を吐き出して子犬に与えます。ですから、愛情表現であることは否定しませんが、犬の気持ちとしては「おなかすいたよ~」「ゴハンちょうだい」であっても不思議ではないのです。人間の手をなめるのは、人間がおやつを手で与えたりしているからなのかもしれません。
しかし、いずれにしても犬が人間の口をなめるのは母親として見立ててのことなのでしょうから、犬との信頼関係がしっかりできていると判断してよいと思います。ただし、人間が犬とキスをするというのは、かわいいからしてしまうという気持ちはもちろんわかりますが、衛生上おすすめできる行為ではありません。犬から人間にうつってしまう病気もあることを忘れてはいけません。
エサをいちいち手で与える人はいないと思いますが、おやつは床などに置いて与えるより、人間の手で与えた方がよいでしょう。その理由のひとつは、おやつを手で与えることにより、犬が感じている警戒心がやわらぐからです。
もうひとつは拾い食いのくせをつけさせないためです。床や地面でおやつを食べさせてると、拾い食いにつながるといわれています。筆者も経験しましたが、拾い食いを直すしつけは本当に苦労します。なにより拾い食いは大切な家族である愛犬が、何か異物や毒性のあるものを食べやしないかとヒヤヒヤする必要があります。人間にとって犬の拾い食いのくせは相当なストレスになるものです。